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11月6日(月)「おっかないひと」がいた時代 〜李相日「フラガール」(2006年)

昭和は遠くなりにけり。
常磐ハワイアンセンター(現・スパリゾートハワイアンズ)の誕生秘話を描いた映画「フラガール」(李相日監督)を見て、そんなことを思いました。

蒼井優ちゃんや、しずちゃんちゃん(南海キャンディーズ)たちがいっしょうけんめい練習して、フラダンサーになる話です。
舞台は福島県の常磐炭鉱。時代は昭和40年。
わたし、石炭・炭鉱モノの映画が好きでして、ボタ山とか出てくると嬉しくなってしまうのですが、それはともかく。

この映画、最近ではすっかり見かけなくなった、「おっかないひと」のオンパレードです。
まず、東京からやってきたダンスの先生、松雪泰子がおっかない。
まさに“鬼コーチ”という感じ。ビシバシしごきます。

ダンスを習いに来る娘さんの親御さんたちも、おっかない。
フラダンスはまだ物珍しかったのでしょう、ストリッパーと混同して、そんなん許すかい、とばかりにビンタの応酬。

となると、松雪先生も黙っていません。
可愛い生徒にビンタを食らわしたその父親を探しに、単身、ずんずんと銭湯の男湯に乗り込んでいきます。
(混浴じゃないです)
そして発見すると、湯船の中へと殴り込み!
(着衣のままです)

一事が万事、こんな具合。

ただ、納得できるかどうかは別にして、みんな「おっかなさ」が真っ当だから、見ていていやな感じがしないのですね。
得体の知れない変質者がうろうろしている21世紀が家庭で作ったべちゃっとした焼き飯だとすると、この映画の世界は、強火で仕上げた中華料理屋のチャーハン。
こわいにゃこわいけど、夕立みたいに、通り過ぎればからりと晴れ上がる。

そういえば、わたしが子供のころは、こういうひとたちがいたなあ。
懐かしくてこわい、いわばナツコワです。

あと、完全な蛇足で……。
クライマックスの見事なダンス・シーンで、蒼井優ちゃんが、座った姿勢から背中をぺったりと床につけて倒れこんで、そこからまたゆっくりと起き上がってくるアクションがあります。
白の衣装だったもんで、ここ、ちょっと幽霊ぽい。
要チェックです。

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