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11月15日(水)怖き者、汝の名は女なり 〜ビリー・ワイルダー「サンセット大通り」(1950年)

たいていの成人男性なら一度は、「女って怖いよなー」と口にしたことがあるはず。
ところがその逆、つまり、女性陣が「男って怖いわねー」と言っているのは、ついぞ耳にしない。
男の聞こえないところでは、女も男を怖がっているのでしょうか。

てなわけで今回は、怖い女の出てくる映画。
ビリー・ワイルダー監督「サンセット大通り」です。
「お熱いのがお好き」や「アパートの鍵貸します」などで有名なワイルダー監督は、話術の巧みさでは右に出るものがいない存在。
たとえるなら、ハリウッドの三谷幸喜、といったところ。

この「サンセット大通り」、映画が始まったとき、すでに主人公のジョーは死んでいます。
彼が、自分が死ぬまでの顛末を語って聞かせるのがこの映画なのです。

落ちぶれた往年の大女優、ノーマの住む荒れ果てた屋敷に、借金取りから逃れた若い脚本家、ジョーが迷い込んできます。
映画界復帰を狙うノーマは、ジョーを軟禁同然の状態で屋敷に住まわせ、自作の脚本の手直しをさせます。
そのうち、ふたりの関係は仕事を超えたものになっていき、嫌気が差したジョーは脱出を試みますが、しかし……というストーリー。

実際にサイレント時代(1910〜20年代)の大スターだったグロリア・スワンソン(当時51歳)が、時代からズレまくって過去の栄光に生きるノーマを熱演。
別れた元夫(元映画監督)を執事として雇い、ことあるごとに、自分の昔の映画を上映しては悦に入る。

よく、鬼気迫る演技、などといいますが、ここでのスワンソン、まさにそれ。というか、執念の鬼になってます。
ブラウン管やスクリーンのこっち側にいるわたしたちですら、悲鳴を上げて逃げ出したくなるほど。

最後、念願かなって、ノーマはひさしぶりにたくさんのカメラに囲まれ、ライトを浴びることになります。
このラスト・シーンにも背筋が凍ります。必見。

ところで、「サンセット大通り」の構成に敬意を表して、この駄文も冒頭に戻りましょうか。
身近にいた女性に、「なんで女のひとは、男は怖い、といわないのだろう?」と聞いてみますと、「男なんてチョロい、と思っているからじゃないの」とのお答え。

結論としては、やはり女は怖い、ということになるようです。

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